作業療法について
Occupational Therapy
作業療法とは、OT(Occupational Therapy)と呼ばれ、身体や精神の障がいのある方、またそれが予測される方に対し、体や手を動かすなどの作業活動を用いて、治療、指導および援助を行う治療です。「こころのリハビリ」ともいわれています。
おもな作業活動として、手工芸(編み物・裁縫・革細工など)や娯楽活動(カラオケ・ゲームなど)、脳トレや体を動かす体操、また室内だけでは留まらず外で園芸・ウォーキング・ソフトボールをしたり、調理・買い物・電車に乗るなど日常生活に必要な技能の練習も行います。たくさんある活動の中から、患者さまひとりひとりの症状やご希望に合う「作業」を選び、作業量や取り組み方や時間・環境などを整えます。
「考え方がまとまりにくい」、「悲観的になりやすい」、「人との関わりが苦手」など、それぞれの悩みや問題を抱えている方たちが、「これだったら集中できた!」「これをしていると嫌なことを考えずにすんだ!」「これをしながらのお喋りが楽しかった!」と思っていただけるような、健康的で活き活きした時間を過ごしていただくためのお手伝いをします。
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個人OT
個人によって異なる興味・関心・治療目的を反映した活動の場。
- 目 的
- 楽しむ体験・欲求の充足・活動性の向上・生活リズムや基礎体力の回復・衝動の発散・課題遂行能力の向上・対人交流技能の向上・達成感や自信の回復など。
- 対 象
- 疾患・性別・病期は問いません。個人での活動がメインであるため、急性期の病状不安定な方や不安の強い方、周囲との交流を限定して過ごしたい方など、作業療法導入時にも提供しやすいプログラムとなっております。
- 内 容
- 編み物・読書・音楽鑑賞・ビーズ細工・描画・ぬり絵・パズル・パソコン・園芸・革細工・金魚すくいポイ作り・オセロ・トランプなど。
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週替わりプログラム
病棟単位で、大集団(15~35名程度)での活動を週替りで行います。
- 目 的
- 楽しむ体験・協調性の向上・欲求の充足・活動性の向上・対人交流の場の提供・衝動の発散・課題遂行能力の向上・生活リズムや基礎体力の回復など。
- 対 象
- 疾患・性別・病期は問いません。自由課題が苦手な方や、集団行動を促進させたい方には特に向いています。
- 内 容
- カラオケ・ビデオ鑑賞・創作・ゲーム・卓球・調理など。
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退院促進グループ
少人数(5~10名程度)の固定メンバーにて、退院に向けて必要な課題を1クール約3~4ヶ月で実施します。
- 目 的
- 社会復帰への能力向上・技術獲得。
- 対 象
- 近々、社会復帰の見込みがある方。疾患は問いません。メンバーは固定です。
- 内 容
- 調理・買い物・公共機関の利用・外出・ミーティング・勉強会など。
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運動クラブ
運動をメインとした集団プログラム(20名前後)。
- 目 的
- 体力の維持や増進・気分転換・衝動の発散・社会性の向上・協調性の向上・対人交流の場の提供。
- 対 象
- 健康面に問題なく、精神症状の落ち着いている開放病棟の患者さま(院外の活動が多いため、基本的には開放病棟の患者さまに限定しております。)
- 内 容
- 「ソフトボール」を隔週で実施。気候に応じて近隣の散策や体育館での運動や室内ゲームなども行っております。
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病棟レクリエーション
病棟ホールにて大集団(20~50名程度)で余暇活動や創作活動などを行います。
- 目 的
- 楽しむ体験・気分転換・生活リズムの改善・活動性の向上など。
- 対 象
- 基本的には入院中の方であればどなたでも参加できます。(医師の処方は必要です)
- 内 容
- ゲーム・創作・音楽・体操・カラオケ・ビデオ上映など。
これらの他に「病棟プログラム」(病棟での創作をメインとした小集団活動や個別での調理・身体的なリハビリなど、病棟担当OTRが臨機応変に対応できるプログラム)、「カトレアEグループ」(調理活動・園芸活動・壁カレンダーの創作などを固定したメンバーが取り組むプログラム)、「短期退院促進プログラム」(退院までの日程が限られており、集中的に退院に向けた課題に取り組む必要のある方に対応したプログラム)などがあります。
費用について
治療の一環となりますので、各種保険が適応されます。生活保護を受給されている方は、自己負担金は発生しません。